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歌って踊って、そして芝居へ——二瓶有加という静かな越境者

二瓶有加(歌手・俳優)の写真

中学生のころから芸能界を志し、いくつものオーディションに落ちながら、やがてダンス&ボーカルグループ PINK CRES. の一員として歌い踊った。グループの活動が終わると、女優・タレントの世界へと自然に足を伸ばしていった。その軌跡は、確かにそこにある。

二瓶有加。1995年10月20日、東京都三鷹市生まれ。歌い、踊り、演じる。たったそれだけの肩書きの中に、表現することへの彼女なりの誠実さが詰まっている。

派手な自己演出で前に出るタイプではない。だからこそ、その歩みは静かで、けれど芯がある。

PINK CRES.という出発点

彼女の名前を最初に世に知らしめたのは、2016年に夏焼雅の新グループオーディションに合格して加わったPINK CRES.だった。2017年にアルバム『crescendo』でメジャーデビューし、楽曲の振り付けも担当した。歌い、踊り、ステージの上で表現する時間は、彼女の表現の土台になった。

グループでの活動は、個人としての主張を抑えながらも、全体の中で自分の役割を全うすることを求められる。その経験のなかで培われたであろう協調性とステージ度胸は、のちの活動を支える見えない財産になっていく。

歌手から俳優へ、という静かな飛躍

歌手から俳優へ——口にすればたった一行の経歴だが、実際にこの乗り換えをやり遂げるのは簡単なことではない。歌とダンスで鍛えた身体表現と、台詞や間で勝負する芝居は、似ているようでまるで別の筋肉を使う。

それでも彼女は、どちらの世界にもしれっと身を置いてみせた。「歌手・俳優」という二枚の名刺を、無理なく両手に持っている。その軽やかさの裏には、表現することそのものへの素直な好奇心があるように見える。

落ちても受け続けた日々

AKB48、乃木坂46、モーニング娘。——デビュー前の彼女は、名だたるオーディションをいくつも受けては落ちた。2012年のAKB48のオーディションでは候補生まで進みながら、正式加入には至らなかった。

それでも諦めずに受け続けた先に、PINK CRES.があった。2023年以降はYouTubeの『佐久間宣行のNOBROCK TV』への出演をきっかけに注目を集め、バラエティにも活動の幅を広げている。見せたいのは盛られた自分ではなく、積み重ねてきたものそのもの——そんな静かな自負が透けて見える。

コツコツ積み上げる人の強さ

派手に飛ばすタイプではない分、彼女の魅力はじわじわと滲み出る種類のものだ。ステージでも画面でも、その場をかっさらうのではなく、コツコツと積み上げてきた時間が表情や佇まいに表れる。

三鷹で生まれ育ち、2025年には「ふるさと三鷹応援団」にも就任した。どこか肝が据わっている。流行や評判に振り回されず、自分のペースで好きなことを続けていく——そういう人は、長く見ていたくなる。

落ちても受け続け、歌からダンス、そして芝居とバラエティへと表現の幅を広げてきた。その歩みは、何よりも雄弁だ。2025年からはアイドルグループ『DЯAW♡ME』のメンバーとしても活動している。

これからも自分のペースで、好きなことをのびのびと。この表現者を、私たちはこれからも見守っていきたい。