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真ん中で低く響く声——Perfume・のっちの軌跡

大本彩乃(歌手・ダンサー)の写真

近未来的なテクノポップが鳴り、三人の女性がミリ単位で揃ったダンスを刻む。その真ん中に立ち、グループの音にズシリとした芯を与える低い声の持ち主——それが大本彩乃、ファンに「のっち」と呼ばれる存在である。

1988年9月20日、広島県福山市に生まれた彼女は、エレクトロニック・ポップ・ユニット「Perfume」のメンバーとして、緻密に組み上げられたパフォーマンスとテクノポップサウンドで知られる。三人のなかでもっともボーイッシュで、ショートヘアにクールな佇まい。けれど、その印象は彼女のすべてではない。

この記事では、確かな事実をたどりながら、ステージ上のクールさと素顔のギャップで人々の心をさらってきた、のっちという表現者の魅力を描いてみたい。

広島・福山から

大本彩乃が生まれ育ったのは、広島県福山市。瀬戸内に面したこの街から、彼女は表現の世界へと飛び出していった。

星座は乙女座、干支は辰。ささやかな経歴の断片の中でも、彼女が広島の出身であることは、のっちという人物を語るうえで欠かせない。なぜなら、ステージ上のクールな印象とは裏腹に、口を開けば飛び出す広島弁こそが、彼女の天然で飾らない魅力の源泉になっているからだ。

Perfumeという表現の場

のっちの名を不動のものにしたのは、間違いなくPerfumeの活動である。アミューズに所属するこの三人組は、機械的なまでに正確なダンスと、近未来を思わせるテクノポップで、日本の音楽シーンに独自の地位を築いてきた。

そのグループのなかで、のっちは中央に立ち、低く落ち着いた声でユニットのサウンドに芯を通す役割を担ってきた。きらびやかなテクノポップが宙に浮きすぎないよう、地に足をつけて支える——その声があるからこそ、Perfumeの音は立体的に響く。

ショートヘアとクールなダンス

三人のなかで最もボーイッシュとされるのっちは、ショートヘアにクールな表情でステージに立つ。彼女の踊りは、カチッと揃った精密さが持ち味だ。

近未来的なステージ演出と、ミリ単位で揃えられた振り付け。それを何年も第一線で維持し続けるというのは、見た目のクールさからは想像できないほどの努力と根性を要する。涼しい顔の裏には、長年積み上げてきた揺るぎない練習量がある。彼女は、見た目以上に「ド根性のかたまり」なのだ。

クールの裏のギャップ

のっちが多くの人の心を掴んで離さないのは、そのギャップにある。ステージではクールでボーイッシュなのに、しゃべらせれば広島弁丸出しで、思いがけないほど天然——この落差が、たまらなく魅力的なのだ。

クールに見えて、実は一番おもしろい。氷のような精密さを見せた次の瞬間には、無防備で人懐っこい笑顔がこぼれる。その振れ幅に、ファンは何度でも心を持っていかれてしまう。

堀越高等学校に学び、Perfume公式チャンネルと自身のインスタグラムを通じて発信を続けるのっち。デビューの細かな経緯を逐一たどらずとも、彼女がこのシーンで果たしてきた役割ははっきりしている。

真ん中で低く響く声、揃った精密なダンス、そしてその裏に隠れた広島育ちの天然な笑顔。クールと愛嬌のあいだを自在に行き来するこの表現者に、これからも多くの人が、まんまと心を奪われていくに違いない。