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媚びない瞳と、泣かせる声――柴咲コウという二刀流の凄み

柴咲コウ(歌手・映画俳優)の写真

女優としても歌手としても、どちらも本気でやってのける――そんな人は、そう多くはいない。柴咲コウは、その数少ないひとりだ。

スクリーンの中では、簡単には媚びない芯の強い目で観る者の心を射抜き、マイクの前ではしっとりとした声でいつのまにか涙を誘う。二つの才能を当たり前のように両立させてしまうこの人を前にすると、「結局、何でもできるのか」と思わず唸ってしまう。

東京に生まれた凛とした才能

1981年8月5日、柴咲コウは東京に生まれた。獅子座、酉年。160センチの背丈に、どこか群れない空気をまとった人である。

歌手、映画俳優、そして俳優。肩書きはいくつもあるが、そのどれもが飾りではない。早くから芸能の世界で頭角を現し、ただ可愛いだけではない、凛とした存在感で注目を集めていった。東京で育った人らしい、自分の世界をしっかり持った佇まいが、彼女の魅力の核にある。

新人賞を総なめにした登場

柴咲コウの登場は、鮮烈だった。2001年に日刊スポーツ映画大賞の新人賞、2002年にブルーリボン賞新人賞、2003年にはエランドール賞新人賞と、立て続けに名だたる賞を受賞している。

これらの新人賞を次々と手にした当時から、彼女には単なる新人離れした空気があった。可憐さの奥に芯がある。媚びることなく、それでいて目を離せない――その独特の引力が、早くから評価されていたのだ。

芝居の目、歌の声

芝居をやらせれば、あの簡単には媚びない、芯の強い目がめっぽう画面に効く。観客に擦り寄らず、それでいてしっかりと心を掴んで離さない。その目だけで、役に説得力が宿る。

そして歌をうたわせれば、しっとりとした声でスッと聴き手を泣かせてくる。演技と歌、どちらか一方でも一流であることが難しいのに、彼女は両方で人の感情を動かしてみせる。二刀流という言葉は便利だが、その実態は、二つの異なる表現をどちらも妥協なくやり切るという、とんでもない芸当なのだ。

群れない人の強さ

柴咲コウの魅力は、群れなくてもしっかりと自分の世界を持っているところにある。周囲に合わせて自分を薄めることなく、凛とした空気をまとい続ける。

そういう人は、ときに近寄りがたく見えるかもしれない。だが、自分の芯を譲らず、自分の表現を貫く強さは、見る者に憧れすら抱かせる。彼女が長く第一線で輝き続けているのは、その揺るがなさゆえだろう。

女優と歌手、二つの道を同時に走り抜けるのは、並大抵のことではない。それを当然のようにやってのける柴咲コウは、まぎれもなく稀有な表現者だ。

媚びない瞳と、泣かせる声。その両方を併せ持つ人が、これからどんな景色を見せてくれるのか。群れずに自分の世界を歩む彼女の歩みは、これからも目が離せない。