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横山裕という器用さ――大阪が育てた、歌って芝居する男の芯

横山裕(俳優・歌手)の写真

画面に横山裕が映ると、なぜか空気が少しほどける。バラエティでワーッと場を盛り上げたかと思えば、ドラマではしっとりと陰のある顔を見せる。その振れ幅の大きさこそが、この人をただの賑やかし役で終わらせない理由だ。

1981年5月9日、大阪市生まれ。俳優であり、歌手でもある。公にされている事実は決して多くない人だが、それでも長く第一線を走り続けてきたという一点が、何より雄弁に彼の実力を物語っている。

派手な肩書きで語るより、ふとした表情に滲む「苦労人の芯」のようなものに目を奪われる。今回は、確かに分かっている事実を手がかりに、横山裕という人物の輪郭をたどってみたい。

大阪市から始まった

横山裕は1981年5月9日、大阪府大阪市に生まれた。星座は牡牛座、干支は酉。生まれも育ちも大阪というルーツは、彼を語るうえで欠かせない。

関西の言葉や、肩肘張らない人懐っこさは、テレビの前で取り繕って身につけたものではなく、地続きの「地元」から来ているものだ。出自や生い立ちの細部までは公開されていないが、彼が大阪を背負って立っているという感覚は、見ている側にも自然と伝わってくる。

歌い、演じる――二つの顔

ジャンルとして公にされているのは「俳優」と「歌手」。この二刀流が、横山裕という人を語るうえでの大きな軸になっている。

歌の場で人を高揚させ、芝居の場では役に静かに沈み込む。同じ一人の人間が、明と暗、動と静を行き来できるのは、それぞれの現場で長く揉まれてきた証拠だろう。器用な人だ、というありふれた言葉では足りない。ジャンルの壁を越えて立ち続ける度胸と、それを許される信頼があってこその「二つの顔」なのだ。

明るさの裏にあるもの

横山裕の魅力は、底抜けの明るさそのものよりも、その明るさの「裏」に時折チラッと覗くものにある。

賑やかに振る舞いながらも、どこかに芯の強さや、簡単には折れてこなかった人の落ち着きが見える。だからこそ、ただ笑わせてくれる人ではなく、「応援したくなる人」になる。華やかな表舞台の人でありながら、観る側がふっと気を許せる温度を持っている。その絶妙なバランスが、長く愛される理由なのだと思う。

好きなものを、好きなままに

公開されている数少ない手がかりの一つが、彼の発信するSNSだ。そこからは、自分の好きなものを大事にする人の姿がうかがえる。

肩の力を抜いて、自分が本当に好きなものに素直でいる――それは芸能の世界で意外と難しいことだ。安全に自分を磨き上げて隙をなくすのではなく、好きなものを好きと言える強さ。その自然体が、横山裕を「見ていて気が楽になる人」にしている。

公にされた事実は多くない。それでも、大阪に生まれ、歌い、演じ、長く第一線で走り続けてきたという事実だけで、横山裕という人の輪郭は十分に浮かび上がる。

明るさの裏に芯を持ち、好きなものを好きなままに大事にする。肩の力を抜いた、いい歳の重ね方をこれからも見ていたい――そう思わせてくれる、稀有な人だ。