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にかーっと笑う、それだけで救われる――永野芽郁という女優の自然体

永野芽郁(俳優・ファッションモデル)の写真

朝のテレビをつける。寝起きでまだ頭がぼんやりしているその時間に、画面の向こうから、にかーっと屈託なく笑う顔が飛び込んでくる。それだけで、なんだか今日も一日やっていけそうな気がしてくる。永野芽郁という女優には、そういう不思議な力がある。

子役の頃からカメラの前に立ち続けてきた人だ。普通なら、長く芸能の世界にいればいるほど、人は「作られた笑顔」を覚えていく。けれど彼女は逆だった。歳を重ねるほど、肩の力が抜けて、ますます自然体になっていった。1999年9月24日、東京都生まれ。天秤座、卯年。身長163センチ。プロフィールの数字だけを並べても、あの笑顔の理由は何ひとつ説明できない。

子役からの長い助走

永野芽郁のキャリアは、ファッションモデルと子役という二つの入り口から始まっている。まだ幼い頃からカメラのレンズと向き合い、大人たちの現場の空気を吸って育った。

子役として早くから現場に立つということは、華やかに見えて、実は途方もない忍耐を要する道でもある。多くの子役がどこかで燃え尽き、あるいは大人の俳優へとうまく移行できずに姿を消していく。その厳しい世界で、永野芽郁は静かに、しかし着実に経験を積み重ねていった。この長い助走の年月こそが、後年の彼女の「肝の据わった自然体」を育てたのだと思えてならない。

朝の茶の間の主役になった日

NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」。永野芽郁の名前が、日本中の茶の間に深く刻まれた作品である。朝ドラのヒロインを張るということは、半年近くにわたって毎朝、全国の視聴者の一日の始まりを背負うということだ。それは若い俳優にとって、栄誉であると同時に、途方もない重圧でもある。

同じNHKの大河ドラマ「八重の桜」にも出演している。歴史の重みを背負う大河と、人々の日常に寄り添う朝ドラ。性質のまったく異なる国民的番組を経験したことは、彼女の俳優としての足腰を確かなものにしていった。

アホらしさに本気で飛び込む

永野芽郁の魅力は、清楚で愛らしい役だけにとどまらない。映画「地獄の花園」では、肩の力をぐっと抜いた、いっそアホらしいとさえ言えるコメディに、体当たりで飛び込んでみせた。

朝ドラのヒロインとしてしっとり茶の間の主役を張っていたかと思えば、馬鹿馬鹿しい笑いの世界でケラケラと弾けてみせる。この振り幅の広さこそが、彼女という俳優の底の知れなさだ。可愛らしい見た目をしておきながら、いざとなれば泥臭い笑いにも全力で身を投げ出す。その潔さに、見ているこちらは惚れ込んでしまう。

「そらそやろな」という納得

2019年、永野芽郁はエランドール賞の新人賞を受賞した。次代を担う俳優に贈られるこの賞は、彼女の上り調子をはっきりと裏づけるものだった。

ただ、この受賞を聞いたとき、多くの人がおそらく「驚き」よりも「やっぱりな」という静かな納得を覚えたのではないか。彼女の存在感は、賞という形で誰かが認める前から、すでに視聴者一人ひとりの胸の内に届いていた。賞は、世間がようやく彼女に追いついた、その証明のようなものだった。

可愛らしい見た目をしていて、中身は意外と肝が据わっている。永野芽郁という女優を一言で言い表すなら、この相反する二つの要素の同居に尽きる。子役の頃から数えきれないほどカメラの前に立ってきたのに、なぜあんなに自然体でいられるのか、その答えはきっと本人にも分からないのだろう。

落ち込んでいても、テレビであの笑顔が飛び込んできたら「まあ、ええか」と思えてしまう。理屈ではない。あの、にかーっと笑う顔は、もはや反則だ。これからも彼女は、誰かの一日の肩の力を、そっと抜いてくれるに違いない。