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帯広からカナダ、そして国会へ――鈴木貴子という「越えてきた人」

鈴木貴子(政治家)の写真

1986年1月5日、北海道帯広市。広大な大地に生まれた一人の女性が、後に日本の政治の最前線に立つことになる。鈴木貴子――その名前を聞いて、有名な父の存在を思い浮かべる人は多いだろう。けれど彼女自身の歩みは、決して「親の七光り」という言葉では片付けられない。

若くしてカナダへ渡り、異国の学び舎で青春を過ごし、再び日本に戻って政治という荒波へと身を投じた。その軌跡には、肝の据わった一人の人間の輪郭がくっきりと刻まれている。

北の大地に生まれて

北海道帯広市。十勝平野の中心に位置するこの街は、雄大な自然と農の営みに彩られた土地だ。鈴木貴子は、この北の大地に生を受けた。

北海道という出自は、後に彼女が政治家として地域に根ざしていくうえで、大きな意味を持つことになる。生まれ育った土地への思いは、政治家にとって最も確かな原動力の一つだ。彼女の出発点が、まさにその北海道であったことは記憶しておきたい。

カナダで過ごした青春

鈴木貴子の経歴で特に目を引くのが、若いうちにカナダへ留学していたという事実だ。ロックリッジ高等学校で学び、その後トレント大学で学位を取得している。

十代から海外に身を置くというのは、それだけで相当な度胸が要る。言葉も文化も違う土地で、自分の足で立って学んでいく。その経験は、後に国際的な視野や、物おじしない胆力として、彼女の血肉になっていったに違いない。型にはまらない出自を持つ人には、いつだって惹きつけられるものがある。

名前に甘えず、自分の足で

彼女が政治の世界に入る背景には、政治家一家という環境があった。幼い頃から、生半可ではない政治の修羅場の空気を、間近で吸って育ったのだろう。

だが、二世として名前を継ぐことと、自らの力で国会まで上り詰めることは、まるで別物だ。鈴木貴子は北海道を地盤とし、国会議員として議席を勝ち取った。有名な姓に甘えて流されるのではなく、その姓に伴う重圧ごと引き受けて前に進んだところに、この人の芯の強さがにじむ。

山羊座生まれ、寅年。ニコニコと柔らかい笑顔の奥に、容易には折れない硬い芯を秘めている――そんな印象を抱かせる人だ。敵に回せば手強く、味方にすれば心強い。そういうタイプなのかもしれない。

政治の難しい話は脇に置くとしても、帯広の少女がカナダを経て国会の議場に立つまでの道のりには、素直に「よくやるものだ」と唸らされる。北海道のために本気で汗を流してくれるのなら、応援したくなる――そう思わせる確かな歩みが、彼女にはある。