静かに踏ん張る人——二人の首相のそばを歩んだ麻生ちか子

華やかな脚光を浴びる人ばかりが、語るに値する人生を歩んでいるわけではない。1950年5月30日、鈴木善幸元首相の三女として東京に生まれた麻生ちか子は、麻生太郎元首相の妻であり、麻生グループの会社の取締役を務めてきた実業家だ。
2008年から翌年にかけては日本のファーストレディでもあった。その歩みからは、一人の女性が表舞台の裏で地道に積み上げてきたものが静かに立ち上がってくる。
首相の家に生まれて
麻生ちか子は1950年5月30日、鈴木善幸の三女として東京都に生まれた。星座は双子座、干支は寅。父が総理大臣になってからも、一家は公邸には住まなかったという。
日本女子大学の家政学部を卒業し、1983年には、父の私邸での懇談会に来ていた麻生太郎と結婚した。
実業の道を選ぶ
夫が1983年の総選挙で落選すると政治活動を支え、福岡の選挙区の支持者回りも積極的に引き受けた。1997年からは麻生商事、麻生フオームクリート、麻生興産、株式会社麻生の取締役を務めている。
派手に名前を売るタイプではなかったかもしれない。それでも、地味でも腐らずにコツコツと積み上げていく——そういう静かな粘り強さこそが、長く一つの道を歩み続けるための本当の強さである。
首相の娘として、首相の妻として、そして自らも企業の取締役として。その役割を黙々と引き受けてきたというだけでも、なかなかの根性の持ち主だと思わせる。
派手に注目を集めるのではなく、静かに踏ん張ってきた人。そういう人にこそ、そっと拍手を送りたくなる。